オレゴン州のワイナリーが煙害でパシフィコープ社を1億米ドルで提訴

ウィラメット・バレーにある約30のワイナリーが、農作物に壊滅的な煙害をもたらした2020年の山火事をめぐる過失を理由に、ウォーレン・バフェットのエネルギー会社パシフィコープを訴えている。

先週、マルトノマ郡巡回裁判所に提出された訴訟で、オレゴン州ウィラメット・バレーのワイナリーとブドウ園が、エネルギー会社パシフィコープを集団で訴えている。彼らは、同社が2020年の暴風雨の際に電力を止めなかったことが、その後一帯を襲った壊滅的な山火事を引き起こし、ブドウ園のブドウに煙害をもたらしたと主張している。

一部のワイナリーは、汚染されたブドウを蒸留酒にすることで、収穫したブドウの投資額の一部を取り戻すことに成功したが、2020年ヴィンテージはほぼ帳消しとなった。

新たに提出された訴状によると、生産者は2020年のブドウを売ることができず、ワイナリーはワインを売ることができず、その結果、収益を失い、評判を傷つけたという。

「スモークを吹き込まれたブドウやブドウ果汁は、ワインの製造、瓶詰め、消費者への販売に至るまで、スモーク化合物やスモークの味を持ち続ける可能性がある。

訴状によれば、2020年のヴィンテージを救おうと「特別な費用」を支払ったにもかかわらず、その努力はほとんど失敗に終わったという。

ワイナリー側は1億米ドル以上の損害賠償を求めている。

パシフィコープは、「妥当な請求はすべて」解決すると表明しており、オレゴン州の陪審員数名から、2020年の火災に関連する他の訴訟で、すでに数億ドルの支払いを命じられている。

最終的には、パシフィコープが数十億ドルを支払うことになるかもしれない。

「顧客と地域社会の安全が最優先事項であることに変わりはない。

不作為

各訴訟の中心は、オレゴン州の消防当局がこのことが引き起こす可能性のある危険について警告していたにもかかわらず、パシフィコープ社が過失により60万件の顧客への電力供給を停止しなかったかどうか、そして同社の不作為が2020年の労働者の日に地域を襲った火災の炎を燃え上がらせたかどうかである。

パシフィック・コープは、大富豪ウォーレン・バフェット氏が会長を務める親会社バークシャー・ハサウェイ社に所有されている。

バフェットは投資家への年次書簡（2024年）の中で、山火事によって全米の公共事業がリスクの高い投資になっていると警告している。

4月、バークシャー・ハサウェイは、労働者の日の火災の被害者への支払いが高すぎるとほのめかしたようだ。パシフィコープの広報担当者は、「パシフィコープの必要不可欠なサービスを提供する能力は、これらの結果に多大な金銭的利害関係を持つ原告側弁護士によって追求される過度の山火事損害賠償によって脅かされている」と述べた。

2020年の火災では1,875平方マイル（4,856平方キロメートル）以上が焼失し、5,000棟以上の家屋が倒壊した。

火災の後、一部のワイン生産者は、汚染された収穫物を有益に利用するための革新的な解決策に目を向けた。

パトリシア・グリーン・セラーズは、12,000ガロンの汚染されたピノ・ノワールを、地元オレゴンの蒸留所ビッグ・ワイルド・スピリッツと組んで、ブランデーとウィスキーのブレンドに変えることに成功した。パティ・グリーンという新しいブランド名で販売され、熟成期間に応じて1本あたり85～200米ドルで販売された。

膨大な量のワインを使ったにもかかわらず、ウイスキーは172ケースしか生産されなかった。