ABインベブ、ビール・飲料事業一式をティルレイ社に売却

ABインベブは、同社が保有するビールと飲料の8ブランドを大麻企業のティルレイ・ブランズ社に売却することで合意した。

Brewers Associationのデータによると、この契約によりTilray Brandsは、米国でクラフトビール事業の規模を9位から5位に引き上げることになる。新しい契約により、Tilray Brands社はビール生産量を年間400万ケースから3倍の1,200万ケースにすると発表している。

Tilray Brandsが発表した買収を確認する声明によると、売却の一環として買収するブランドは以下の通り：Shock Top、Breckenridge Brewery、Blue Point Brewing Company、10 Barrel Brewing Company、Redhook Brewery、Widmer Brothers Brewing、Square Mile Cider Company、HiBall Energy。

ブレッケンブリッジ・ブリュワリーは、アメリカ最大のビール専門コンペティションである2022年GABFコンペティションで、人気の高いアガベ・ウィート・ビールがアメリカンウィートビール部門で銅メダルを獲得し、同ブリュワリーが同分野でいかに尊敬されているかを示した。

証券取引委員会に提出された書類によると、正式な売却価格は未公表のままだが、買収額は約8500万米ドルと噂されている。また、この買収には、現在の従業員だけでなく、両ブランドに関連するすべての醸造所の生産拠点とブルーパブが含まれるとも言われている。

ティルレイ・ブランズ社は投資家との電話会見で、今回の買収は同社の成長戦略にとってより良い位置づけであり、米国全土での事業拡大につながると明らかにした。

すべての詳細が決まれば、買収は今後60～90日以内に完了し、事実上年内に完了する見込みだ。

昨年11月、Tilray BrandsはMontauk Brewing Companyを買収した。この買収により、モントーク・ブルーイングはSweetWater、Green Flash、Alpineの各ブランドとともにTilrayのクラフトビール部門の中核となり、結果としてTilrayは北東部でより強力な足跡を残すことになった。

歴史的に、ABインベヴとティルレイは緊密な協力関係にあり、将来の決定を導くためにTHCとCBDを含むノンアルコール飲料を共同研究してきた。数年前、ABインベブとティルレイ・ブランズは、「将来の決断を導く」ために、大麻飲料カテゴリーについて「より深い理解」を深めるための新たな研究提携にもそれぞれ5000万米ドルずつを投資した。今となっては、この買収は長い間準備されていたものであり、より広範な計画の一部であるように見える決定だ。

ABインベブがクラフトビール醸造所をティルレイに事実上売却するという最新の動きは、今週この取引のニュースが報じられて以来、業界関係者の間では、すでに確立されたクラフトビールのネットワークを通じて大麻産業のリーチをさらに広げるための長期的な戦略的合意の一環であると噂されてきた。この決定は、両者がクラフトビール業界を通じて信頼できる長年の関係を活用し、小売店やオンプレミス、同様のターゲット市場に尊敬されるブランド名でアプローチすることを支援する可能性がある。しかし、情報筋はまた、「この動きがビールから市場シェアを奪い」、結果的にクラフトビール業界をカニバリゼーションさせることになるのではないかとも述べている。