ナットウエスト、ドリンク・プラットフォーム「フェロビナム」と1億ポンド取引

フェロビナム、ナットウエスト、BCIキャピタルの3社による1億ポンドの取引は、銀行が英国のワイン・スピリッツ部門に資本を投入する方法を変える可能性がある。

ロンドンを拠点とするワイン・スピリッツ業界向けの資金調達プラットフォームであるフェロビナムは、ワイン・スピリッツ事業への資金供給のあり方を変える画期的な取引に成功した。

この契約により、ナットウエストは、金融の専門家であるミッチェル・ファウラーとダニエル・ギブニーによって2018年に設立されたフェロビナムのポートフォリオ資金調達を主導することになり、コモディティ市場で投資銀行が採用している仕組みを利用して、クレジットファンド、銀行、その他の機関から資本を調達することになる。

フェロビナムは、缶ワイン会社のザ・アンコモンやグレンタレット蒸留所などを顧客に持ち、今後、ナットウエストからの「段階的取引」によって8000万ポンドを獲得し、残りの金額はフェロビナムの株式投資家と、2021年以来フェロビナムの主要ポートフォリオ資金調達パートナーである英国のクレジット・マネージャーBCIキャピタルが拠出する。

この取引により、ワインやスピリッツ事業への大規模な資本供給が可能になり、これまで断片化と長い熟成期間が障害となっていたこのセクターへの資本アクセスが改善されることが期待されている。

フェロビナムは、この1億ポンドを今後数ヶ月の間に幅広いワイン・スピリッツ企業に投入することを確認した。この資金はまた、このプラットフォームの「野心的な英国および世界的拡大計画」を支援する。

創業者兼CEOのミッチェル・ファウラーは、この買収が「この分野への投資の、テクノロジー主導の新時代」への道を開くと考えている。

「ワイン・スピリッツ業界への資本投入のあり方に真の一歩を踏み出す取引で、ナットウエストを最初の銀行パートナーとして迎えることができ、感激しています」と語った。

「フェロビナムのテクノロジーは、これまで機関投資家の資本がこの分野に参入できなかった障壁を克服するためにカスタムメイドされており、銀行がこの分野に参入するための適切なツールを提供しています。ナットウエストはすぐに私たちのプラットフォームの可能性を認識し、業界の専門知識を活用する能力と、イノベーションと中小企業の成長支援に対する共通のコミットメントに感銘を受けました」。

蒸留所、ワイナリー、商社、ボトラーなど30社以上の顧客を持つフェロビナムは、これまでに500万本以上のボトルに相当する資金を提供してきた。

この仕組みは、ワインや蒸留酒の生産、保管、流通の過程で資産を保有するリングフェンスのプラットフォームを構築することで、企業が熟成中の在庫をジャスト・イン・タイムの資産に転換できるようにするものです。この柔軟性により、企業は必要な時に資本にアクセスすることができ、流動性リスクや支払条件への依存を軽減するだけでなく、サプライチェーンの混乱が発生した場合でも収益性を守ることができる。